ラムちゃんの (麻酔下)歯石除去


当院スタッフのラムちゃん、(5歳)歯石除去をおこないました。 (開院前からのオーナーのご希望です)

歯石除去、きれいにしてあげたいけれど、麻酔が心配。とご相談をうけることが多いので ラムちゃんがどんな様子で歯石をとったのか、ご報告いたします。

1、診察

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まずは、お口のなかの様子を診察します。歯石のつき方、歯肉の様子、抜歯が必要な歯はないか、腫瘍などはないか、麻酔をかける必要があるのかなど診察します。 もちろん心音など全身状態もチェックします。

ラムちゃんは 全体に歯石が軽度付着、歯垢も軽度付着
歯石自体が歯周病の原因になるわけではありませんが、歯石は表面がガサガサしているために、歯垢(プラーク)がつきやすく、且つ落ちにくくなります。

歯垢はなんと、細菌の塊です。歯垢がたまると、歯周ポケットが深くなり、歯周炎になり、歯がぐらぐらしたり、ぬけてしまったりします。

それに、その細菌を毎日飲み込むことになるので、心臓や腎臓の網目状の組織に細菌がついて、心臓病や腎臓病の原因になってしまいます。

ラムちゃんは、麻酔下での歯垢、歯石除去と、同時により詳しい口腔内チェックをおこなうことにしました。

 

麻酔に先立ち、安全に麻酔をかけられるのか評価するため、術前検査を行います。

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血液検査 止血機能に異常ないか、肝臓や腎臓に異常がないか等、ひととおりの血液検査をします。

全身の検診 獣医による検診をおこないます

レントゲン検査 心臓、肺、気管等に異常がないか検査します(背骨の上の白いものはマイクロチップです)

 

ラムちゃんは術前検査 なにも異常ありませんでした!麻酔をかけるうえで問題ないということがわかりました。

施術当日は 朝から絶食です。(前日の晩ご飯も早めに食べおえてください)

午前中、腕に点滴用のやわらかいカテーテルを留置します。絶食による脱水を補正するため、点滴を開始します。

テープで留めて、長めのラインをつなげるので、点滴中もケージの中で自由に動く事ができます。ラインをいたずらしてしまう場合は、エリザベスカラーをつけます

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留置針(柔らかいので痛くありません。)         点滴中 の様子

 

お昼の手術時間。いよいよ 全身麻酔、スケーリングです。

麻酔は点滴のラインから 麻酔導入の薬を注射します。1分ほど寝ているうちに、気管チューブという管を気管に挿入します。そのあとはガスの麻酔になります。安全性が高く、覚醒もとてもはやいです。
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全体に歯石と歯垢がついています。歯肉はまだきれいです。歯周ポケットも深いところはなく正常でした。今のうちにこの汚れをとっておけば、家でのブラッシングで歯垢を楽におとすことができ、お口のなかを健康に保つ事ができるでしょう。
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このように、超音波のスケーラーや、ハンドスケーラーで歯の表面や歯周ポケットの中の汚れをとりのぞきます。
全身麻酔中ですので、もちろん痛み、恐怖をあたえることなく、危険なく処置ができます。歯周ポケットの中の汚れ、細菌をとることが歯周病予防のため一番大切です。無麻酔の処置では歯周ポケットの処置はできません。
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超音波スケーラーで汚れをとったあとは、フッ素入りの研磨剤でつるつるに磨きます。歯石がつきづらくなります。

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よごれがとれ、真珠のようにピカピカになりました。
これで、麻酔下処置はおわりです。

麻酔ガスをとめ、酸素ガスのみにきり変えると、2〜3分ですみやかに覚醒しました。
数時間後には小屋を出ていつも通りに自由にお部屋をお散歩しました。
夕方お家にかえり、様子をみながらですが、夕ごはんもぺろりとたべたそうです。
今は、2日に1回は歯磨きをおこない、ピカピカをたもっています。

 

麻酔での歯石除去の料金

術前検査、全身麻酔、歯石除去で¥28000です

(抜歯や、重度歯周病などで、歯のレントゲンや追加の処置が必要な場合は別途料金がかかります)

1月31日まで、 歯石除去キャンペーン を行っています。  術前検査、全身麻酔、歯石除去で ¥19800 となります 

 

 

 

2015年12月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : garden-vet